A案とB案の議論が長引く時、主張を繰り返しても合意は近づきません。両案が何を重視し、どの条件なら有利なのかを一枚に並べると、対立を検証可能な問いへ変えられます。
最初に共通の目的を一文にする
売上を上げる、では広すぎます。『来月末までに問い合わせ対応時間を減らし、品質を維持する』のように期限と守る条件を入れます。目的が違っていた場合は、案を比べる前に決定者へ戻します。
根拠表の列は四つ
案、期待する効果、根拠となる事実、外れたと判断する条件を並べます。経験や予想も書いて構いませんが、測定済みの事実と区別します。出典が確認できない数字は仮説として扱います。
小さく試せるなら勝敗を決めない
対象を限定し、1週間後に同じ指標で比較します。試行前に中止条件を決め、顧客や安全への不利益が出た場合は即時停止します。結果が曖昧なら、無理にどちらかの勝ちにしません。
そのまま使える連絡テンプレート
共通目的は○○です。A案は△△の条件で有利、B案は□□の条件で有利と整理しました。未確認なのは××なので、対象を限定して○日間試し、指標Yで比較したいです。
実行前のチェックリスト
- 共通目的に期限があるか
- 事実と予想を分けたか
- 反対の結果が出る条件も書いたか
- 試行の中止条件を決めたか
具体例:対応速度と品質で意見が割れた時
A案は自動返信で平均待ち時間を短くし、B案は担当者確認で誤案内を減らす案だとします。過去50件の待ち時間と訂正件数を同じ表に置き、「待ち時間24時間超」または「訂正率5%超」を外れ条件にすれば、人の好みではなく試行結果を比較できます。
根拠表を使わない方がよい場面
法令、安全、差別やハラスメントの有無は多数決や短期テストで決めません。確認済みの規程や専門部署の判断を優先します。また、出典が違う数字を同じ精度として並べないよう、測定日と母数を付けます。
| 列 | 確認すること |
|---|---|
| 効果 | 誰にどんな変化があるか |
| 根拠 | 母数・期間・出典 |
| 外れ条件 | 中止または見直す数値 |
上司へ異論を伝える際は、事実・懸念・提案の順序も役立ちます。
この方法の要点
根拠表は相手を負かす資料ではなく、どの条件なら判断を変えるかを共有する道具です。

