安心のためにお金を使ってしまう人の心理

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不安を消すために、また何か買おうとしていませんか

仕事帰りにコンビニで新商品を見かけて、つい手に取ってしまう。週末にネットショッピングを開いて、気づいたら数千円分をカートに入れている。月末に通帳を見て、「今月もこんなに使ってしまった」と小さくため息をつく。こんな経験、ありませんか。別に贅沢をしているつもりはないのに、なぜか毎月お金が出ていく。そして、その理由をよく考えてみると、何かを手に入れることで「これで大丈夫」と思いたかったのかもしれない、と気づくことがあります。安心のためにお金を使ってしまう人の心理は、実は多くの会社員が無意識に抱えているものです。それは浪費とも違う、もっと静かで、もっと切実な感情から生まれています。

不安があるとき、人は「持つこと」で安心しようとする

なぜ私たちは安心のためにお金を使ってしまうのでしょうか。それは、不安という感情が目に見えず、つかみどころがないからです。仕事で先が見えない、将来がどうなるかわからない、自分がこのままでいいのか自信が持てない。そんな漠然とした不安を抱えていると、人は無意識に「何かを手に入れることで埋めよう」とします。新しい本を買えば勉強した気になる。サプリメントを買えば健康に気を使っている気になる。保険に入れば将来の備えができた気になる。それらは決して間違った行動ではありません。でも、その背後に「買うことで不安を消そうとしている」という心理があることに気づかないと、いつまでも同じパターンを繰り返してしまいます。安心のためにお金を使ってしまう人の心理の根っこには、「所有すること」と「安心すること」を結びつけてしまう思い込みがあります。買い物をした瞬間は確かにホッとするのですが、その安心感はすぐに薄れてしまう。だからまた次の「何か」を探してしまう。この繰り返しが、気づかないうちに家計を圧迫していくのです。

お金の使い方を見直すより、不安の正体を整理してみる

「安心を買う」を「何の不安を消そうとしているのか」に言い換える

安心のためにお金を使ってしまう人の心理を理解するには、まず「安心を買おうとしている」という行動を、別の言葉で捉え直してみることが役立ちます。たとえば、健康食品をつい買ってしまうとき、それは「健康への不安」を消そうとしているのかもしれません。ビジネス書を何冊も買ってしまうとき、それは「仕事ができない自分への焦り」を埋めようとしているのかもしれません。このように、お金を使う瞬間に「今、自分は何の不安を消そうとしているんだろう」と問いかけてみる。それだけで、買い物の意味が少し変わって見えてきます。

レジに向かう直前、心の中で何を考えているか

ある40代の会社員は、仕事帰りにドラッグストアへ寄るのが習慣になっていました。別に必要なものがあるわけではないのに、店内をぐるりと回って、新商品の栄養ドリンクや目薬、肩こり用の湿布などを手に取ります。レジに並ぶとき、彼はいつも「まあ、あって困るものじゃないし」と自分に言い聞かせていました。でもある日、ふと気づいたのです。自分がその店に寄るのは、疲れた体を何とかしたいという焦りがあるときだけだと。そして買い物をすることで、「ちゃんと自分をケアしている」という安心感を得ようとしていたのです。安心のためにお金を使ってしまう人の心理は、こんなふうに日常の小さな選択の中に潜んでいます。

今すぐ買わなくても、不安は少し置いておける

安心のためにお金を使ってしまうとき、私たちは「今すぐ何とかしなければ」と思い込んでいることが多いものです。でも実際には、多くの不安は今すぐ解決しなくても大丈夫なものです。たとえば、将来への漠然とした不安があるとき、保険に入ることは一つの選択肢ですが、それが本当に今必要なのかは別の話です。買い物をする前に、「この不安は、今日中に何とかしないといけないものだろうか」と自分に問いかけてみる。それだけで、衝動的な買い物を一歩手前で止められることがあります。不安は消さなくても、少しの間そばに置いておける。そう思えるだけで、お金の使い方は少しずつ変わっていきます。

すぐに変えなくていいし、完璧を目指さなくていい

ここまで読んで、「自分もそうかもしれない」と思った方もいるかもしれません。でも、だからといって今すぐ買い物をやめなければいけないわけではありません。安心のためにお金を使ってしまう人の心理は、誰にでもあるものです。それ自体が悪いわけではなく、ただ「気づいていない」ことが問題なのです。まずは、自分がどんなときにお金を使いたくなるのか、その瞬間にどんな気持ちでいるのかを観察してみるだけで十分です。無理に節約しようとしたり、買い物を我慢したりする必要はありません。それどころか、我慢しすぎるとかえってストレスが溜まり、反動で大きな買い物をしてしまうこともあります。また、人によっては「安心のために使うお金」が本当に必要な場合もあります。たとえば、仕事で必要なスキルを身につけるための自己投資や、心身の健康を保つための支出は、決して無駄ではありません。大切なのは、自分が何にお金を使っているのかを把握し、それが本当に自分にとって意味のあるものかどうかを、ときどき立ち止まって考えてみることです。

少し先の自分に、今日の選択を手渡していく

安心のためにお金を使ってしまう人の心理と向き合うことは、自分の不安と向き合うことでもあります。それは簡単なことではないし、一度気づいたからといってすぐに変わるものでもありません。でも、今日レジに向かう前に一瞬立ち止まってみる。週末にネットショッピングを開く前に、自分の気持ちを確認してみる。そんな小さな習慣が、少しずつお金との関係を変えていきます。大切なのは、完璧を目指すことではなく、自分の心の動きに少しだけ敏感になることです。安心は、何かを買うことで得られるものではなく、自分の選択に納得できることから生まれます。今日の小さな気づきが、少し先の自分を少しだけ楽にしてくれる。そう信じて、焦らずに進んでいけたらいいのかもしれません。

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