仕事を辞めたい気持ちが消えない理由

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月曜の朝、目覚ましを止めたときの重たさ

目が覚めた瞬間、ああ今日も仕事か、と思う。その感覚がもう何ヶ月も、もしかすると何年も続いている。転職サイトを開いては閉じて、また開いて。でも結局、何も変わらない日々が過ぎていく。仕事を辞めたい気持ちが消えない理由は、単に今の職場が嫌だからというだけではないのかもしれません。辞めたいと思いながらも辞められない、その状態が続くこと自体が、実は何かを示しているような気がします。

同僚と昼休みに話していても、誰かが「辞めたいよね」と言うと、みんな苦笑いしながら頷く。でもその後に続く言葉は、いつも「でもね」「とはいえ」「まあ仕方ないか」。辞めたい気持ちを口にしながら、同時にそれを打ち消すような言葉を探している。その繰り返しの中で、気持ちだけが宙に浮いたまま、消えることなくずっとそこにある。この感覚に覚えがある人は、きっと少なくないはずです。

「辞めたい」という気持ちを否定し続ける仕組み

仕事を辞めたい気持ちが消えない理由の一つに、私たちがその気持ちを認めることを避け続けている、という側面があります。辞めたいと思うこと自体が、どこか後ろめたい。甘えているんじゃないか、我慢が足りないんじゃないか、もっと大変な人もいるのに。そんな声が頭の中で繰り返されて、気持ちに蓋をする。でも蓋をしたからといって、その気持ちが消えるわけではありません。

会社という環境は、基本的に「続けること」を前提に作られています。人事評価も、キャリアプランも、すべては「ここにい続ける人」に向けて設計されている。だから「辞めたい」という気持ちは、その仕組みの中では異物のように扱われます。上司に相談すれば「もう少し頑張ってみたら」と言われ、同僚に話せば「わかるけどさ、みんなそうだよ」と返される。誰も否定しているわけではないのに、気持ちは受け止められず、ただ宙を漂い続けます。

さらに厄介なのは、自分自身がその気持ちを「一時的なもの」として処理しようとすることです。疲れているだけだ、今月は忙しかっただけだ、来月になれば落ち着くはず。そうやって先延ばしにしているうちに、半年が過ぎ、一年が過ぎていく。気持ちが消えないのは、それが一時的なものではなく、もっと根深い何かを示しているからかもしれません。でもそれを認めることは、今の生活や選択を否定することにつながるような気がして、つい目を逸らしてしまう。この繰り返しが、気持ちを消えないものにしている一因です。

辞めたい気持ちの正体を分けて考える

「辞めたい」は本当に辞めたいのか

仕事を辞めたいという気持ちの中には、実はいくつもの感情が混ざっています。本当に今の会社を離れたいのか、それとも今の業務内容から離れたいのか。上司との関係に疲れているのか、通勤時間が苦痛なのか、給料に不満があるのか。あるいは、仕事そのものというより、自分の時間がないことに限界を感じているのか。辞めたいという一言の中に、これだけ多くの要素が詰まっています。それを全部ひとまとめに「辞めたい」と捉えてしまうと、どうしていいかわからなくなります。

金曜の夜と日曜の夜で変わる気持ち

金曜日の夜、一週間を終えた安堵感の中では「まあ、なんとかなるか」と思えることがあります。でも日曜の夕方、明日からまた始まると思うと、胸が重くなる。同じ「辞めたい」でも、タイミングによって濃度が違う。疲労がピークのときに感じる辞めたさと、冷静に自分のキャリアを見つめたときに感じる辞めたさは、実は質が異なります。前者は休息で和らぐかもしれませんが、後者はもっと構造的な問題を示しています。自分が今感じている辞めたさが、どちらに近いのか。それを見分けることが、気持ちと向き合う第一歩になります。

消えない気持ちを無理に消さなくていい

辞めたい気持ちが消えないことを、問題だと捉えなくてもいいのかもしれません。その気持ちは、今の自分にとって何かが合っていないことを教えてくれるサインです。すぐに行動に移さなくても、その気持ちを「ある」と認めておくだけで、少し楽になることがあります。辞めたいと思いながら働くことは、矛盾しているようで、実は多くの人が経験している自然な状態です。その気持ちを持ちながら、今できることを少しずつ考えていく。そんな進み方があってもいいはずです。

今すぐ決断しなくていい理由

仕事を辞めたい気持ちが消えないからといって、すぐに辞めなければいけないわけではありません。むしろ、その気持ちを抱えながら様子を見る期間があってもいい。焦って決断した結果、後悔する人もいれば、じっくり考えた末に「やっぱり今じゃない」と気づく人もいます。気持ちが消えないことと、行動に移すべきタイミングは、必ずしも一致しません。

特に注意したいのは、疲労がピークに達しているときです。心身ともに限界を感じているときに下す判断は、視野が狭くなりがちです。そんなときは、まず休むこと。有給を使ってもいいし、診断書をもらって休職してもいい。少し距離を取ってから、改めて自分の気持ちを確認する。それからでも遅くはありません。

また、人によっては「辞めたい気持ち」が、実は別の問題の表れであることもあります。家庭の問題、健康の問題、人間関係のストレス。それらが仕事への不満として現れているケースです。この場合、転職しても根本的な解決にはならないかもしれません。自分の辞めたさの正体が何なのか、少し時間をかけて見極めることも大切です。

ただし、心身に明らかな不調が出ている場合、人間関係で深刻なハラスメントを受けている場合は別です。そのときは、気持ちが消えるかどうかを待つのではなく、自分を守ることを最優先にしてください。辞めることは逃げではなく、自分を大切にする選択です。

気持ちと一緒に歩いていく

仕事を辞めたい気持ちが消えない理由は、その気持ちが間違っているからでも、自分が弱いからでもありません。それは今の環境と自分の間に、何かしらのズレがあることを示しているサインです。そのサインを無視し続けることもできますが、認めて受け止めることもできます。

大切なのは、その気持ちを持っている自分を否定しないことです。辞めたいと思いながら働いている人は、決して少なくありません。その気持ちを抱えながらも、毎日出勤して、仕事をこなして、生活を続けている。それ自体が、実はとても大変なことです。

今日できることがあるとすれば、その気持ちを「ある」と認めることかもしれません。辞めたいと思っている、それでいい。すぐに答えを出さなくても、今はそう感じている自分がいる。それを否定せず、一緒に歩いていく。そんな距離感で、自分の気持ちと付き合ってみる。焦らず、少しずつ。気持ちが消えなくても、それと共に生きる道は、きっとあるはずです。

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