年末調整を会社任せにすると起きる問題

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なんとなく毎年提出していませんか

毎年11月になると総務から配られる年末調整の書類。よくわからないまま去年のコピーを見ながら記入して、保険料控除の証明書だけ貼り付けて提出する。そんな流れを繰り返している人は多いかもしれません。会社がやってくれるから大丈夫だろうと思っていたけれど、ふと「これで本当に合っているのかな」と感じる瞬間はないでしょうか。年末調整を会社任せにすると起きる問題は、実はこの「なんとなく」の積み重ねから始まっています。書類を出せば終わりと思っていたら、実は自分の手取りに直結する大事な選択を見逃していたり、後から修正が必要になったり、場合によっては損をしていることもあるのです。

「会社がやってくれる」という思い込みの正体

年末調整という言葉を聞くと、なんとなく会社が全部やってくれるものだと思いがちです。実際、給与計算は会社がしてくれるし、税金も自動的に引かれているから、自分で何かする必要はないように感じます。でもよく考えてみると、年末調整で必要な情報のほとんどは、自分から申告しなければ会社は知りようがないものばかりです。生命保険に入っているかどうか、iDeCoを始めたかどうか、扶養家族が増えたかどうか。こうした情報は、自分から書類に書いて証明書を添付しなければ、会社の担当者には一切わかりません。会社がやってくれるのは「提出された情報をもとに計算すること」であって、「あなたに有利な控除を探してくれること」ではないのです。この違いを意識しないまま任せきりにしていると、本来受けられるはずの控除を逃してしまったり、記入ミスがあってもそのまま処理されてしまったりします。会社の担当者も人間ですから、全員の書類を細かくチェックする余裕があるとは限りません。結果として、自分の税金が多く引かれたまま気づかないということが起きてしまうのです。

知らないうちに損をしない視点の持ち方

「任せる」と「丸投げ」は違うという感覚

年末調整を会社に任せることと、何も考えずに丸投げすることは似ているようで全く違います。任せるというのは、自分が必要な情報を整理して正確に伝えた上で、計算や手続きは専門の担当者にお願いするという関係です。一方で丸投げは、何がどうなっているかわからないまま書類だけ出して終わりにすることです。この違いを意識するだけで、年末調整への向き合い方は大きく変わります。たとえば書類に記入する前に、去年と今年で生活に変化がなかったか思い出してみる。保険を見直したか、医療費がかかったか、家族構成が変わったか。こうした確認をするだけで、見落としていた控除に気づくことがあります。

ある同僚が気づいた小さなズレ

同じ部署の先輩が、ある年の1月に源泉徴収票を見て首をかしげていました。「あれ、iDeCoの控除が反映されてない気がする」と。確認してみると、年末調整の書類に記入はしていたものの、証明書を添付し忘れていたことがわかりました。会社の担当者も、証明書がなければ控除として処理できません。結局、自分で確定申告をして還付を受けることになったそうです。この出来事を聞いて、私も自分の源泉徴収票をちゃんと見たことがなかったことに気づきました。毎年受け取ってはいたけれど、数字の意味もよくわからないまま保管していただけだったのです。年末調整を会社任せにすると起きる問題は、こうした小さな見落としの積み重ねでもあるのだと感じました。

完璧を目指さず、ちょっと意識するだけでいい

年末調整のすべてを理解する必要はありません。税制は複雑で、毎年少しずつ変わるものですから、完璧に把握しようとすると疲れてしまいます。それよりも、自分が今使っている控除が何なのか、去年と今年で変わったことがないかを確認する程度で十分です。書類を記入するときに、わからない欄があれば空欄のまま提出するのではなく、総務に聞いてみる。保険料控除の証明書が届いたら、すぐに保管場所を決めておく。源泉徴収票をもらったら、去年と比べて大きく変わっているところがないか眺めてみる。こうした小さな行動の積み重ねが、自分のお金を守ることにつながっていきます。

焦って全部見直す必要はない理由

ここまで読んで、「自分は今まで適当にやってきたから、もしかして損してたかも」と不安になった人もいるかもしれません。でも、過去のことを後悔する必要はありません。年末調整で多少の見落としがあったとしても、大きな金額になることは少ないですし、もし気づいたら確定申告で取り戻すこともできます。また、控除の対象になるような支出がそもそもない人もいます。独身で保険にも入っていない、医療費もほとんどかかっていないという場合は、基礎控除と社会保険料控除だけで十分なこともあります。大事なのは、今年から少しだけ意識を向けてみることです。いきなり全部を完璧にしようとすると続きませんし、そもそも年末調整は毎年あるものですから、少しずつ慣れていけばいいのです。会社の担当者も、質問されることを嫌がるわけではありません。むしろ、わからないまま適当に書かれるよりは、ちゃんと聞いてもらったほうが助かるという声もあります。自分一人で抱え込まず、わからないことは素直に聞く。それだけで、年末調整を会社任せにすると起きる問題の多くは避けられます。

来年の自分が少しラクになるために

年末調整を会社任せにすると起きる問題は、決して大げさな話ではなく、日常のちょっとした見落としや思い込みから生まれるものです。完璧にやろうとする必要はないけれど、少しだけ自分の状況を把握しておく。書類の意味を全部理解しなくてもいいけれど、自分に関係ある部分だけは確認してみる。そんなふうに少しずつ関わり方を変えていくだけで、来年の自分はもう少しラクになるかもしれません。お金のことは難しく感じるし、面倒に思うこともあります。でも、自分の手取りに直結することだからこそ、ほんの少しだけ意識を向けてみる価値はあるのではないでしょうか。今年の年末調整が、そのきっかけになればいいなと思います。

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