給料日前の残高を見て、また今月もか、と思っていないか
給料日の数日前、スマホで銀行の残高を確認すると、思ったより少ない数字が表示される。「今月も使いすぎたかな」とぼんやり思いながら、次の給料日までやり過ごす。そしてまた翌月も同じことを繰り返す。貯金できない人が無意識に続けている習慣とは、こうした小さな違和感を「いつものこと」として流してしまうことから始まっている。何か大きな浪費をしているわけでもなく、むしろ自分では無駄遣いしていないつもりなのに、なぜかお金が残らない。その理由は、日々の行動の中に溶け込んでいて、自分では気づきにくい。通勤中のコンビニ、ランチの選び方、帰り道の寄り道。どれも「これくらいなら」と思える範囲の支出だけれど、それが積み重なっていくうちに、気づけば貯金の余地がなくなっている。
「意識していないこと」が支出を生み続ける仕組み
貯金ができない理由を考えるとき、多くの人は「収入が少ないから」「急な出費があったから」と外的な要因を挙げる。もちろんそれも一因ではあるけれど、実は支出の多くは「意識していない習慣」によって生まれている。たとえば、毎朝会社の近くでコーヒーを買う。昼休みに同僚と外食する。仕事帰りにコンビニで飲み物や菓子を買う。これらはどれも日常に溶け込んでいて、支出として認識されにくい。一回あたりの金額が小さいため、「これくらいなら問題ない」と無意識に判断してしまう。けれど、月単位で見れば数万円になっていることも珍しくない。さらに、疲れているときほどこうした支出は増える。仕事で疲れた日の帰り道、自分へのご褒美として少し高めの惣菜を買う。週末に何となくネットを見ていて、セールの通知に反応してしまう。こうした行動には「判断する余裕がない」という背景がある。忙しい日々の中で、一つひとつの支出について考える時間がなく、習慣として繰り返してしまう。貯金できない人が無意識に続けている習慣とは、支出を「決断」ではなく「流れ」にしてしまっている状態だと言える。
お金の使い方を見直すための3つの視点
支出ではなく「選択の回数」で考えてみる
貯金ができない理由を考えるとき、金額だけに注目しがちだけれど、実は「選択の回数」に目を向けるとわかりやすくなる。たとえば、ランチで毎日外食すると月20回以上の選択をしている。コンビニに寄る習慣があれば、それも週5回として月20回。こうした選択の一つひとつが支出につながっている。金額の大小ではなく、選択する回数が多いほど支出の機会も増える。逆に言えば、選択の回数を減らすことができれば、自然と支出も減っていく。「節約しなきゃ」と意気込むよりも、「選択する回数を減らす工夫」をするほうが、無理なく続けられる。
疲れた日の帰り道で何を選んでいるか
仕事で疲れた日の夜、駅からの帰り道にコンビニやスーパーに寄ることが習慣になっている人は多い。疲れているとき、人は判断力が鈍る。その状態で店に入ると、本来必要のないものまで買ってしまいやすい。レジ横のホットスナック、新商品のスイーツ、雑誌やドリンク。どれも「今日は頑張ったから」という理由で手に取ってしまう。こうした支出は、疲れているときほど発生しやすい。だからこそ、疲れている日こそ「店に寄らずに帰る」という選択肢を持っておくことが大事になる。帰宅してから本当に必要なものがあれば、翌日冷静な状態で買いに行けばいい。その一日の間に、実は必要なかったと気づくことも少なくない。
今日から「買わない日」を一日だけ作ってみる
貯金できない人が無意識に続けている習慣とは、毎日何かしらを買っている状態でもある。だからこそ、週に一度でもいいので「何も買わない日」を作ってみる。コンビニにも寄らない、自販機も使わない、ネットも見ない。そうすると、自分がどれだけ無意識に買い物をしていたかに気づく。最初は物足りなく感じるかもしれないけれど、実際には困らないことのほうが多い。買わない日を作ることで、支出の習慣に「間」が生まれる。その間が、自分の行動を見直すきっかけになる。大きく変えようとしなくていい。まずは週に一日、試してみるだけでいい。
すぐに変えなくていいし、完璧を目指さなくていい
ここまで読んで「自分も当てはまる」と感じた人もいるかもしれない。けれど、今すぐすべてを変える必要はない。貯金できない人が無意識に続けている習慣とは、長い時間をかけて身についたものだから、一朝一夕で変わるものでもない。まずは自分がどんな場面で、どんなふうにお金を使っているかを知ることが第一歩。それだけでも十分意味がある。また、人によっては「コンビニでの買い物が唯一の息抜き」という場合もある。仕事や家庭で余裕がなく、ちょっとした買い物が心の支えになっているなら、それを無理に削る必要はない。大事なのは、自分にとって本当に必要な支出と、習慣で続けているだけの支出を区別すること。全部を我慢するのではなく、優先順位をつける感覚を持つだけでいい。焦らず、少しずつでいい。自分のペースで見直していけば、少しずつお金の流れは変わっていく。
半年後の自分が少しだけ楽になるために
貯金できない人が無意識に続けている習慣とは、日常に溶け込んでいて見えにくいものだった。けれど、それは裏を返せば、少しの意識で変えられる余地があるということでもある。今日から何か大きなことを始める必要はない。ただ、自分が何にお金を使っているかを少しだけ意識してみる。疲れた日に立ち寄る店を一度だけ素通りしてみる。それだけでもいい。その小さな変化が、半年後の自分を少しだけ楽にする。給料日前に残高を見て焦ることが減り、次の給料日まで余裕を持って過ごせるようになる。貯金は目的ではなく、自分が安心して過ごすための手段。完璧を目指さなくていいから、少しずつ、自分のペースで向き合っていけばいい。

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